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絵を描くということ


絵を描くということは 何かをよくよく「見る」ことからはじまります。

細部の細部までじっくり見て、色の変化や重なり、カタチの成り立ち、やわらかさや堅さや温度、というような「見る」ということに加えて触覚、嗅覚、聴覚などの五感を総動員して、その何かを感じてゆくことです。

風や空気や音などは目には見えませんが、五感を総動員すると感じることができます。 しゅうっと春風が吹いたら葉っぱがさささ〜っとなって植物の香りがやってきたりするときは、 筆をしゅうっと春風のように動かして、違う絵の具でさささ〜っと筆を動かすと風と植物たちが私の中で生きて通っていったように感じられます。

生きて通ってゆくというのは、どういう感じかと言えば、 おいしいごはんを食べておいしいなあと味わうのに似ています。 映画を見終わって、じーんとすることにも似ています。 上手に描くことは、重要ではありません。 描いているときに十分に描くものそのものを感じられているか、 描いているときに心がひらいているか、 わたしの心の状態がしあわせであるかどうかが重要です。 そういうふうに描かれたものは、私自身への贈り物であり、誰かに届けたくなる贈り物になります。

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